注文住宅Q&A
Q&Aウレタンフォーム断熱材の特徴は?メリットや注意点・相場を紹介
住宅の断熱性能を高めるためには、適切な断熱材を選定することが大切です。
ウレタンフォーム断熱材は、発泡ポリウレタンを用いた断熱材であり、高い断熱性能と気密性を兼ね備えています。特に、硬質ウレタンフォームは微細な独立気泡を形成し、熱伝導を抑えることで室内の温度を一定に保つ効果があります。さらに、湿気の侵入を抑える特性があり、結露の発生を防げるメリットもあります。
当記事では、ウレタンフォーム断熱材の種類や施工方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。快適な住環境を整えたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
1.ウレタンフォームの断熱材とは?
ウレタンフォーム断熱材とは、ポリウレタン樹脂を原料とする発泡体の断熱材です。ポリオール(多価アルコール)とイソシアネートを主成分とし、これらが化学反応を起こすことで内部に無数の細かい気泡を形成します。気泡が空気を閉じ込めているので、熱伝導率は0.034W/m・K以下であり、高い断熱性能を持っています。
ウレタンフォーム断熱材は、熱を伝えにくい構造に加え、内部の気泡が湿気の侵入を防ぐため、結露対策にも有効です。高い断熱性能を持ちながら、軽量で施工しやすい点も特徴で、近年では住宅や工場の省エネルギー対策としても広く採用されています。
1-1.ウレタンフォーム断熱材の種類
ウレタンフォーム断熱材は、主に「硬質ウレタンフォーム」と「軟質ウレタンフォーム」の2種類に分類されます。ここでは、それぞれの特徴について詳しく解説します。
・硬質ウレタンフォーム
硬質ウレタンフォームは、密度が高く剛性のある発泡樹脂で、優れた断熱性能を持つことが特徴です。内部に微細な独立気泡があり、熱の伝導を抑え高い断熱性を発揮します。
・軟質ウレタンフォーム
軟質ウレタンフォームは、弾力性と柔軟性を持つ発泡樹脂で、主にクッション材や防音材として利用されます。気泡が連続してつながる連続気泡構造を持っており空気の流動性が高いので、吸音性に優れ、振動を抑える効果があるため、断熱と合わせて防音対策も行いたいときに使用されます。
また、硬質ウレタンフォームには、施工方法によって「吹付タイプ」と「ボードタイプ」の2種類があります。
吹付タイプは、現場で液状のウレタン樹脂を吹き付けて発泡させる施工方法です。建物の形状に合わせて隙間なく施工できるので、気密性が高く、断熱効果を最大限に発揮できます。ただし、専門的な施工技術が必要で、現場の環境によっては均一な厚みを確保しづらいため注意しましょう。
もう1つのボードタイプは、工場で成形されたウレタンフォームの板材をカットして施工する方法です。厚みや品質が均一で、施工しやすく、施工時間も短縮できる点がメリットです。ただし吹付タイプと比べると細かい隙間への対応が難しいため、気密性を確保する対策が必要です。
2.ウレタンフォーム断熱材を使用するメリット
ウレタンフォーム断熱材は、優れた断熱性能以外にも、多数のメリットがあります。断熱材の選定においては、単に熱を遮るだけでなく、長期間にわたり安定した性能を維持できるかどうかも大切なポイントになります。
ここでは、ウレタンフォーム断熱材を採用することで得られる主なメリットを解説します。
2-1.断熱性能が高い
ウレタンフォーム断熱材の最大の特長は、優れた断熱性能です。ウレタンフォームは微細な気泡構造を持ち、空気を内部に閉じ込めることで熱伝導を抑えます。
さらに、ウレタンフォームは高い気密性も持っているので、建物の隙間をしっかり埋めることで断熱材としての性能を最大限に発揮できます。ウレタンフォーム断熱材は、室内の温度を一定に保ち、省エネにも貢献する優れた断熱材です。
2-2.水や湿気に強い
湿気を吸収しやすい断熱材は、経年劣化によって断熱性能が低下し、カビや腐敗が発生することがあります。しかし、ウレタンフォーム断熱材は水や湿気に強く、長期間にわたって安定した断熱効果を維持できます。
特に硬質ウレタンフォームは、独立気泡構造により内部への水分の侵入を抑えられるため、結露の発生を防げます。湿度の高い地域や地下室、屋根裏などの施工にも適している他、カビの発生を防ぎ健康的な住環境を提供できる点も大きなメリットです。
2-3.施工がしやすい
ボードタイプのウレタンフォームは、工場で均一な厚さに成形されているため、施工がしやすいという特徴があります。
一方、吹付タイプは液状のウレタン樹脂を現場で発泡させながら施工するので、複雑な形状の壁や狭い空間にも隙間なく施工できます。配管や梁などが入り組んだ場所でも断熱材を均一に充填できるため、従来の断熱材では対応が難しい部分でも高い断熱性を確保できます。
また、新築だけでなく、既存の建物の断熱改修にも適用しやすく、工期の短縮や施工コストの削減にもつながります。
2-4.経年劣化しにくい
ウレタンフォーム断熱材は、耐久性が高く、長期間にわたって安定した性能を維持できるという点も大きなメリットです。一般的な断熱材は、経年によって収縮したり、ズレたりすることがありますが、ウレタンフォームは劣化が起こりにくい傾向にあります。
特に吹付タイプのウレタンフォームは、壁や天井にしっかり密着するため、経年によるずり落ちの心配がありません。また、カビや虫害にも強く、一度施工すれば長期にわたって高い断熱性能を維持できます。
3.ウレタンフォーム断熱材の注意点
ウレタンフォーム断熱材は高い断熱性能を持つ一方で、使用する際にいくつかの注意点があります。防火性能や施工の品質管理については、適切な対策を講じることでより安全な環境を作れます。
・防火性能に着目する
ウレタンフォーム断熱材は発泡樹脂を主成分としており、一般的な不燃材(コンクリートや石膏ボードなど)と比較すると、燃えやすい性質を持っています。そのため、多くのウレタンフォーム製品には難燃剤を添加し、燃えにくくしてあります。
また、施工時には、防火性の高い建材と組み合わせることで、安全性をより高められます。施工前に防火性能の評価や認定を確認し、適切な対策を講じましょう。
・信頼できる施工業者に依頼する
ウレタンフォーム断熱材は、施工方法によって断熱性能が大きく左右されるため、信頼できる施工業者に依頼することが大切です。特に、吹付タイプのウレタンフォームは、適切な厚みや均一性を確保しなければ、断熱性能が十分に発揮されないケースがあります。
正しく施工をしてもらうため、経験豊富で技術力の高い業者を選び、事前に施工実績を確認することが大切です。また、施工後の品質確認を行うために、熱画像カメラなどを用いた気密性のチェックを実施するのも有効な方法です。
4.ウレタンフォーム断熱材を使うときの費用相場は?
ウレタンフォーム断熱材は、高い断熱性能と気密性を備えており、施工のしやすさも魅力ですが、その分、他の断熱材に比べて費用はやや高めです。特に、吹付タイプは専門的な施工技術が必要となるため、コストがかかりやすい傾向にあります。
一般的な費用相場は、1㎡あたり3,000円~6,000円程度で、施工の規模や厚みによって変動します。ウレタンフォーム断熱材は決して安価ではありませんが、長期的に見ると光熱費の削減につながり、建物の快適性も向上するため、費用対効果の高い選択肢と言えます。
まとめ
ウレタンフォーム断熱材は、優れた断熱性能や気密性を持ち、省エネにもつながる断熱材です。ウレタンフォームと一言で言っても、硬質ウレタンフォームと軟質ウレタンフォーム、吹付タイプとボードタイプなど複数の種類があるので、特徴を理解し、目的に合った断熱材を選びましょう。
ウレタンフォーム断熱材は、価格相場は少し高めなものの、長期的には冷暖房コストの削減につながり、快適な住環境を維持できる点が魅力です。断熱材を選ぶ際は、性能だけでなく、施工方法や費用対効果も考慮することが大切です。
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